インタビュー:東京校卒業生 小峯 晋
ドイツの首都ベルリンにある「Café Komine」は、プティガトー中心にフランス菓子と抹茶や柚子など日本のテイストを組み合わせたオリジナリティある品揃えで評判のカフェ。オーナーパティシエの小峯晋さんは、2009年に東京校で菓子ディプロムを修めた卒業生です。
ル・コルドン・ブルー東京校は今冬、広島酒造組合とのコラボレーションによる 「広島日本酒セミナー」を開催しました。
「チーズとワイン」といえば長年、世界中で親しまれている組み合わせですが、今回のテーマは「チーズと日本酒のペアリング」。
一見、意外なカップルですが、米、水、そして発酵過程に必要な麹菌を使って作られる日本酒は、チーズのうまみを引き出す絶好のパートナーなのです。
日本酒と言えば、和食との組み合わせが定番。しかし、「最近では高級日本酒の輸出が増え、海外では洋食などと一緒に楽しまれることが増えています」と話すのは、今回のセミナーで講師を務めたセバスチャン・ルモアンヌさん。
日本酒は製造に使われる米の種類や水質など、数々の要素によって風味・辛み・味が変化します。「この幅広さこそ、日本酒が様々な食材とマッチする理由です」とセバスチャンさんは語ります。
3回にわたり開催されたセミナーには約60人が参加し、セバスチャンさんとル・コルドン・ブルーのシェフが選んだ9種類のチーズに合わせ、相性の良い9種類の広島産の日本酒を試飲しました。
テイスティングでは、日本酒の試飲によく用いられる「唎き猪口」のほか、香りを存分に楽しめるようワイングラスも使用しました。まずはグラスに広がる香りを楽しみ、お酒を一口含んだら口の中にゆっくりと行き渡らせ、その風味を楽しみます。
日本酒の余韻が消えないうちにチーズをいただき、味の相性をチェック。
例えば、スモークチェダーのような味の強いチーズには、風味に粗さのある日本酒がよく合うそう。ほかにも、甘口の日本酒とまろやかな甘みのあるチーズの組み合わせは、互いが持つ複雑な風味や甘さの奥にある味を引き出し、デザートのように楽しめます。
日本酒は、その歴史や謎に包まれた製造工程も魅力のひとつ。書物によると、現在の日本酒の原型となる酒は8~9世紀ごろにできあがったそうです。
広島産の日本酒は軟水を使用しており、水質に合わせて地域独自の製法が開発されました。この独自製法が、クリアでうまみのある日本酒を生み出しているのです。
今回のセミナーに参加した、ル・コルドン・ブルー東京校でフランス料理コースを受講する台湾出身のピンアン・チェンさんは「日本酒がこんなに種類が多く、チーズとも合うとは知りませんでした」と話します。
普段はウイスキーをたしなむというピンアンさんは、今回のセミナーでたくさんの発見があったそうです。「日本酒の分類やテイスティングの手順、そしてどのように料理とペアリングするかを学べたことは、今後のキャリアにはもちろん、普段外食する際にも役立ちそうです」と話しました。
ピンアンさんのお気に入りのペアリングはマンステルチーズと、りんごや梨のような甘い香りを持つ「本州一 無濾過純米吟醸」。強い香りのあるチーズに、フルーティーな味わいの日本酒がよく合うそうです。
ル・コルドン・ブルーでは、東京校とパリ校で日本酒のコースとイベントを開催しています。参加のお申込み、日本酒イベントについてのご質問はこちらまで。
2019/03/28
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