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これぞジャパニーズハーブ、
しそという食材。

第5回 The Mystery of Japanese Ingredients

Taste Festival

ル・コルドン・ブルー日本校 エグゼクティブ・シェフ ギヨム・シエグレ

日本料理で多く使われる、しそというハーブ

Taste Festival

「私が“しそ”と出合ったのは、もちろん日本に来てからです。フランスにはない食材ですから」
2000年に来日し、日本での生活も15年目を迎えたドミニクシェフ。しそとは日本食を通じて出合ったという。 「珍しくもあり、初めて味わった時からとても好感の持てる香りでした。」 

日本で古くから栽培されてきたしそは、主に葉の部分を食べる、いわゆるハーブの仲間。大きく分けて2つの種類がある。ひとつは “大葉”とも呼ばれる緑色の“青じそ”。彩りとして寿司や刺身に添えるほか、清涼感ある味と香りを活かして、天ぷらのネタとして、そのまま揚げて食べることもある。もうひとつが葉の赤い“赤じそ”。こちらは着色用に使われることが多く、伝統的な漬物“梅干”を赤く染めるのに梅と一緒に漬け込まれることもある。

「しそに限った話ではありませんが、初めての食材に出合うと当然、驚きがあります。そして、食べ続けるうちに、その食材が持つ魅力が明確になってくる」

清涼感ある味と香りを巧みにちりばめたケーキ

Taste Festival

今回シェフがしそで創り出したのがバジルと合わせたケーキ。「瞬時にひらめいた」というデコレーションも芸術的で美しい。

「アーモンドのダコワーズの上にバジルのシュトロイゼル*1を乗せ、その上に重ねたのは、中央に赤じそのシュレを入れ込んだ、青じそのババロアです。グラサージュ*2はホワイトチョコレートと青じそ。青じそを細かくみじん切りにして、ババロアと同じように、チョコの中に入れています。デコレーションに使ったのはしその色からイメージした2色のホワイトチョコレートです。」

濃厚だけれど、しそのフレッシュな香りで口当たりは軽やか。味わいも食感も異なる要素を組み合わせているのに、一体感が抜群だ。

「青じそと赤じそ、今回はどちらも使っています。フランス菓子に仕立てるためにフランスの食材も何か一緒に使いたかったのですが、いろいろと考えた結果、バジルを選びました。バジルにも薬効があります。」

*1 シュトロイゼルとは、粉・バター・砂糖などを混ぜ合わせ、ポロポロとした粒状にしたクッキー状のもの。
*2 グラサージュとは、菓子の表面にチョコレートやソースなどを流しかけてコーティングする調理法。

しその魅力は味と香り、そして、薬草であること

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しそには古くから殺菌作用や防腐作用のあることが知られており、日本で刺身に添えるのは、飾りとしてだけでなく、そうした効果も期待したため。

「しそは薬草の一種。味と香り、そして、薬草であることが今回、私がしそを選んだ理由。私が常に抱いているテーマは、食べて楽しくて美味しく、その上で体にも良い菓子を作るということ。」

日頃からペーパータオルや使い捨ての絞り袋などを嫌い、徹底してエコロジカルに配慮して菓子作りと向き合っているドミニクシェフ。そんな彼だからこそ、食べる人を思いやる菓子もでき上がるのだろう。

「しそは肝臓にもいいって聞いています(笑)」
シェフならではのアイデアと技術、そして、たくさんの愛情が詰め込まれたのが、今回のしそのケーキだ。



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