研修を受ける前は、本当にできるのかどうか、体力が続くのかどうか、不安の方が大きかったのですが、不安がって、研修に行っていなければ、まったくわからないことばかりだったと思います。
最初は、1ヵ月という研修期間が長いようにも思っていましたが、終わってみれば、あっという間でした。
研修で、学校と決定的に違うのは当たり前ですが「商品(売り物)」を作っているということです。
例えばですが、ホイロも学校ではパンの種類によって温度を変えていました。もちろん学校でもシェフからは、時間ではなく生地の状態を見て出す時間を判断するようにと言われていましたが…
大量生産、ホイロを何台もおけるような大きなお店なら違うのかもしれませんが、私が行ったお店では一定の温度に設定され、生地ごとにホイロの温度設定を変えるようなことはしません。
生地の状態のみで判断します。
学校とは違って、時間はもちろんスペースや設備など、現場では制約や条件が多いのは、すべてが原価、利益に関わってくるからです。
現場では、一定の条件の中で、ベストな商品を作っていくことが求められます。
そして、研修で一番学んだことは「時間感覚」。研修中に言われていたことも、とても基本的なことばかりでした。
「時間を守る」
「次に使う人のこと、やることを考える」
「効率的に、一度にできることは、一度に済ます」
「優先順位」
「視野をひろげる」
「無駄を出さない」
至極当たり前のことばかりなのですが、書いたことは全部つながっていて、実際に現場に入ると、できないことが多いのです、私の場合だけかもしれませんが…
なぜかといえば、上記に書いたことはパンを作る技術の速さと確動性に関係するからです。作る技術が速くて確かであれば、上記のことは必然的にできます。
そうでない場合は、作ることがおぼつかないため、上記のことにヌケやモレがでてきます。正直、上記のことすらできないとは、自分でも思っていませんでした。。
でも、実は基本的なことをできるようになることと、技術を上げていくことは必要十分条件なのだということが、よくわかりました。
さらに、研修に行ってみて思うのは、半年通って学校を卒業しただけでは、残念ながらすぐには仕事になりません(苦笑)。もちろん、個人差があるとは思いますが。
では、学校で学んだことが無駄だったのかといえば、そんなことは決してなく、もちろん、現場で、実際に学んだことを全部使うわけでもないのですが、成形にしろ、発酵にしろ、焼成にしろ、自分の中に、まず学校で学んだ基本があるので、現場に出てみて、学校で学んだこととの違いや、なぜ現場ではそうしているのか?と考えることもできたのだと思います。
パン作りは正解が一つではないからこそ、「軸」となるものがないと、迷うことが多くなってしまうのではないかと思います。
何がどれくらいという、言い方は難しいのですが、私にとっては、学校で学んだことは、全部役に立っています。
でも、目的にもよるとは思いますが、学んだだけでは、やはり不十分。学んだことが本当に使えるのかは、実際に使ってみないとわかりません。
私の場合、希望であったとはいえ、研修で分割や成形をさせてもらえたりと生地に触れる機会が多く、やはり、実体験に勝るものはないと思いました。出来不出来は別として…
最後に、私のレポートを読んであまりにも大変そうで研修に不安を覚えられた方がいらしたら、すみません(笑)。
もちろん、どのお店に行くかとか、何を学ぶかとか、自分の年齢とか、体力とかによって、随分変わると思います。
私は、特に飲食業での経験もありませんし、年齢も40歳を超えていますし、体力的にもキャリア的にも厳しい条件だったと思いますが、それでも何とか研修を終えることができましたので、チャンスがあるなら受けられることをお勧めします。
私にとっても、今後の自分の進む方向を考える上で、今回研修を受けたことは、とても意味のあることでしたので。