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              進化する“SAKE”。
              料理への転化が面白い

              第1回 The Mystery of Japanese Ingredients

              Taste Festival

              ル・コルドン・ブルー日本校 マスター・シェフ ドミニク・コルビ

              ワイングラスで味わう、新たな日本酒の世界

              Taste Festival

              「ワインと日本酒、毎晩飲むのはどちらかですね~。今、日本酒がとっても面白いです」 ワイングラスで香りを楽しみながら、嬉しそうにそう教えてくれたのは、コルビシェフ。日本の神秘的な魅力を世界へ発信する、この連載にて、第1回に相応しい食材を思案していたところ、シェフから提案があったのが日本のお酒の代表、お米で作る“SAKE”であった。

              「私が来日した頃の日本酒と今の日本酒では味も考え方もまったく違う。実のところ、私も最初はそれほど興味がなかったのです」来日後、料理に邁進(まいしん)するシェフを、当時の日本酒はそれほど刺激しなかったという。それがとある居酒屋で味わったグラス入りの日本酒に驚くほど香りが立っていることに気がつく。
              「ワイングラスではなかったですが、これが転機。日本ではおちょこという日本酒専門の酒器がありますが、それを使わずに飲んだ酒がいつもと違ったんです。これは絶対にワイングラスで味わいたいと思った

              Taste Festival

              シェフが味わったのは今から12~13年ほど前。当時の日本酒は、大量消費の時代から、若手の台頭、手造りへの原点回帰、純粋な味への追求など、まさに日本酒変革の過渡期にあった。その後、酒蔵巡りをはじめたシェフ。各地の酒蔵を自ら巡るたびに、造り手の情熱を肌で感じ、日本酒に目覚めていく。

              「ワインと日本酒はすごく似通っている部分があります。ワインもブルゴーニュとボルドーの時代から、新たなエリア、若手の造り手の台頭が目覚ましかった」
              コルビシェフ曰く、どれが美味しいではない。それぞれの日本酒の個性を知ると、それにあう料理が浮かび上がってくるのだそうだ。

              まずは胸元あたりでワイングラスをくるりと回す。すると日本酒の仕込み樽の香りが立ち上る。その後に鼻を近づけ香りを楽しむ。そう、香りだけでも日本酒は 2度楽しめる。これこそコルビ流、日本酒の味わい方。フランス料理とのマリアージュでも、世界中が驚く日は近いとシェフは力説する。

              フランス料理に合う、日本酒は?

              Taste Festival

              MIZUBASYO PURE
              永井酒造

              群馬

              (5段階評価)

              淡い  ―◯――― 濃い
              香り
              穏やか ――◯―― 華やか

              肉料理に合わせたい1本
              尾瀬の大地が生み出したシャンパンの製法で作った日本酒。「これは牧草の香りがする。フレッシュの草でなく、干した草の香り。牛肉のタルタル仕立てに合うでしょう」。
              http://www.mizubasho.jp/



              Taste Festival

              一ノ蔵 ひめぜん
              一ノ蔵

              宮城

              (5段階評価)

              淡い  ――◯―― 濃い
              香り
              穏やか ―◯――― 華やか

              優しい甘口かつ酸味も
              アルコール度数が低めで女性にも人気の1本。「これはすみれの香りだね。鯛などの白身魚に、リンゴと柑橘系のジャムが寄り添う。ビネガーをかけるとさらに合うでしょう」
              http://www.ichinokura.co.jp/



              Taste Festival

              玉川 自然仕込
              Time Machine 1712
              木下酒造

              京都

              (5段階評価)

              淡い  ――――◯ 濃い
              香り
              穏やか ――◯―― 華やか

              日本版のデザート酒!
              江戸時代の製法で造る熟成古酒。「これは分かりやすい。ハチミツ酒の香り。クレーム・パティシエールをたっぷりのせたクレープに、焼きリンゴとバターをのせたいね」
              http://www.sake-tamagawa.com/



              Taste Festival

              賀茂鶴 一滴入魂
              賀茂鶴酒造

              広島

              (5段階評価)

              淡い  ―――◯― 濃い
              香り
              穏やか ―――◯― 華やか

              日本版のデザート酒!
              収穫したばかりの酒米を丹念に磨き、醸す1本。寒中にじっくり天然の伏流水で仕込む。「ライトボディで、フレッシュ、流れるような味わい。これにチーズを合わせても面白いですね」
              http://www.kamotsuru.jp/

              料理の素材としての日本酒の可能性

              Taste Festival

              広島の酒蔵を巡った際、杜氏から相談されたひと言が忘れられないとコルビシェフ。
              「酒は売れても、酒造りで生まれる酒粕は売れないと嘆いていたんです。でも、味わってみると非常に奥深い味。これは使えるとね」
              そう言って今回、作ってくれたのがなんと酒粕を使ったデセール。生クリームに少しのマスカルポーネと砂糖を足し、酒粕を加えて撹拌。この酒粕入りのクリームに、季節のフレッシュフルーツをたっぷりあしらった。最後にふりかけたコショウがアクセントで完成。
              「簡単だけど、味は驚くと思いますよ。日本酒と合わせてぜひ楽しんでください」
              それは、ひと口味わうと口当たりは軽いのに、長い余韻の甘さが口いっぱいに広がる。そこに日本酒を合わせてみると、さらにほのかな甘さとフルーツの酸味がとけあう。シェフが教えてくれた、新たな日本酒の世界。日本人では考えもつかない日本酒の楽しみ方の概念を軽々と飛び越え、シェフは笑顔でこちらを見る。
              「ほらね、驚いたでしょ」。

              Taste Festival

              日本酒を造る際、圧搾した後に残る白い固 形物が酒粕。ワインで言えばブドウの搾りか すに似ている。今回、コルビシェフはこの酒 粕を驚きのデセールにアレンジしてくれた。



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